診療のご案内くすりのQ&A
Q. 医師が処方するくすりと市販のくすりはどのようにちがうのですか?
A. 医師・歯科医師の処方せんや指示により使われるくすりを医療用医薬品、市販のくすりを一般用医薬品といいます。
医療用医薬品は、作用や使用方法などの点で医師や薬剤師などの専門家による管理が必要であり、大部分に保険が適用されています。あなたが医療機関や保険薬局で調剤を経て受け取るくすりは、診察した時点でのあなたの病状にあわせて種類や量が決められた医療用医薬品です。医師の指示通りに使用しましょう。医師から指示を受けずに保管して自分の判断で使用したり、他の人に譲ったりしてはいけません。
一般用医薬品は、一般の人が薬剤師などのアドバイスのもとに薬局やドラッグストアなどで購入し、自分の判断で使用するくすりです。市販薬、大衆薬、OTC(over-the-counter drug)などとも呼ばれます。成分の種類や含有量などの観点から、指示されている用量の範囲では比較的安全とされ、また、誰にでも使いやすいように工夫されたものなどがあります。また、効能・効果は、熱、鼻水、せき、胃痛、など症状からくすりが選択できるようになっているものが多く、使用量や使用方法などをわかりやすく記載した説明書(添付文書)がついています。説明書(添付文書)は必ず読むようにしましょう。
医療用医薬品と一般用医薬品で同じ効果を表示している場合でも、成分が異なったり、含量が異なったり、効き方や効き目が異なることがあります。医療用医薬品の効能・効果を知っているからといって、自分の判断で一般用医薬品の代わりに使うようなことは絶対にやめましょう。
Q. 医師から処方されたくすり(医療用医薬品)を使用する場合、どんなことに注意したらよいですか?
A. 以下のようなことにご注意ください。
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医師・薬剤師から指示された用法、用量を守ってください。
病状が改善したからと自己判断で用量を変えたり使用を中止してはいけません。くすりの中には、病状が改善しても継続して使用しなければいけないもの、再発を防ぐために長く使用しなければいけないものがあります。また、長期間使用してきたくすりを中止する場合、徐々に減量する必要があるくすりもありますので、自己判断で使用を中止しないでください。 -
使用中に気になる症状が現れた場合には、医師・薬剤師に相談しましょう。
使用中に気になる症状が発現した場合は、副作用の可能性もあるので、必ず医師または薬剤師にご相談ください。個々のくすりについての注意事項は、医師・薬剤師から説明を受けてください。なお、重い副作用が現れる可能性のあるくすりについては、特に知っていただきたい事項をわかりやすく記載した「患者向医薬品ガイド」があります。 -
病状が同じだからといって、以前に使用して残ったくすりを自己判断で使用してはいけません。また、残ったくすりを絶対に他の人に渡したり、他の人からもらったりしてはいけません。
医療用医薬品は、医師が診察した時点での患者さんの病状に応じて処方されるものです。症状が同じだからといって同じ病気とは限りません。
また、成人には用いられても、小児や妊婦には使用できないくすりもあります。さらに、くすりの成分にアレルギー反応を示すため、そのくすりが使えない人もいます。このため、残ったくすりを自己判断で使用したり、他人に渡してはいけません。 -
複数の医療機関や薬局からくすりをもらうときは、現在使用しているすべてのくすりを必ず伝えましょう。
くすりによっては、併用してはいけないものがあります。また、同じ成分を含むくすりや同じ効果の薬が処方されてしまうかもしれません。したがって、既に使用している医薬品があれば、市販薬を含め、すべてについて必ず伝えましょう。 -
自己判断で錠剤をつぶしたり、カプセルをはずしてはいけません。
錠剤やカプセル剤の中には、徐々に有効成分が溶け出すように工夫されているものや、胃では溶けず腸で溶けるように工夫されているものなどがあるためです。飲みにくい場合は、医師または薬剤師に相談しましょう。 -
適正な保管をしましょう。また、子供の手の届かない場所に保管しましょう。
一般には、直射日光や湿気を避けて涼しい場所に保管します。しかし、医師や薬剤師から特別な指示があったときは、それに従ってください。適正な保管方法を守ることは、くすりの品質を保つために大切です。定められた保管方法、取り扱い方法を守りましょう。
Q. 今まで飲んでいた錠剤が、同じ成分で水なしで飲める錠剤(口腔内崩壊錠(こうくうないほうかいじょう))に変更になりました。くすりの効果に差はないのでしょうか。
A. 水なしで飲める錠剤は、一般に口腔内崩壊錠(こうくうないほうかいじょう)といわれています。この錠剤は、従来の錠剤と効果に差がないことが試験で確認されています。口腔内崩壊錠は、舌の上にのせると唾液あるいは少量の水分により数十秒で崩壊するため、一般の方のみならず、錠剤をうまく飲み込めない高齢者や水分摂取制限を受けている方にとっても有用でしょう。
医薬品医療機器総合機構より引用