統合失調症治療センター教育入院
当院における統合失調症の教育入院は、糖尿病や高血圧症の治療で行われる教育入院と全く同じ考えで行われています。つまり、治療がうまく行っていないときに、患者様に教育入院について説明し分かってもらって入院してもらい、入院中に薬物の調整を行いつつ、運動療法や栄養療法のやり方を理解してもらう教育を行いながら治療を進めていきます。その際、ご家族様にも治療に参加してもらって、一緒に勉強してもらったり、患者様とスタッフを交えて話しあったりします。
教育入院の対象となるのは、急性期入院患者様と通院中の患者様で、病識がなくて治療効果が十分上がっておらず、お薬もしっかり飲めていないために病状が不安定な患者様です。通院している患者様のわずかな精神的不調をきっかけにして、ぜひとも入院しなくてはいけないほどの病状ではないけれども、短期間入院して患者心理教育を受けて統合失調症の勉強をしながら調子を取り戻そうという治療法ですので、教育入院は、将来を見据えての前向きの明るい入院といえます。
教育入院は、渡部名誉院長が担当しています。概要は下記のとおりです。
統合失調症の教育入院
(1)対象 |
入院治療を要する患者および病識のない統合失調症通院患者 |
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(2)入院期間 |
1.5ヶ月 |
(3)目的 |
1. 病識の獲得 2. 患者様・ご家族様の疾患理解 3. 薬物治療の適正化 4. 精神症状の軽減 5. 患者様−ご家族様関係の調整 6. 生活習慣改善法の理解 7. 身体的コーピング法の習得 |
(4)治療システム |
患者様自身による治療経過評価(クライエント・パス)を治療の骨格として治療を進めて行きます。患者様は,患者心理教育(「統合失調症に負けないぞ教室」),身体的コーピング法、作業療法、社会生活技能訓練に参加します。ご家族様は,家族心理教育(「家族教室」),家族社会生活技能訓練に参加します。また,患者様・ご家族様・スタッフが参加した患者家族合同面接を行います。 |