当院のご紹介田宮病院の特徴
県内トップクラスの精神医療専門病院
田宮病院は昭和42年の開院以来、「自分や家族・友人が利用したい病院を目指す」という理念のもと、長年にわたって利用者さまの視点で精神医療をとらえ、その治療に取り組んでまいりました。精神科以外の外来診療科の併設や開放的な病棟づくりなど「開かれた精神医療」を実践し、現在では精神病床419床、介護保険施設60床という、精神科としては県内屈指の病床数を持つに至りました。
精神疾患には、統合失調症、躁うつ病、精神遅滞や認知症など非常に多くの種類があり、人によってその症状も異なってきます。当院では精神科専門医による診断をはじめ、臨床心理士のカウンセリングや心理テスト、臨床検査技師によるデータなど、それぞれの専門スタッフが患者さまの症状に合わせた診療を推進。また入院時においても、社会復帰のためのトレーニングや急性期〜維持期と回復過程にそったリバビリテーションを実施して、患者さまの潜在能力を引き出すことで生活意欲を高める取り組みを積極的に行うなど、一人の患者さまに対して複数の専門スタッフが多角的に接することで、より高度な精神医療を実現しています。こうした取り組みによって当院は「統合失調症」「認知症」「うつ病・神経症」の各分野において診療の質で県内トップの病院を目指しています。
院長の方針
田宮病院は、患者さんの「いま生きる」を応援する心の医療を医師、看護師、薬剤師、心理士、作業療法士、精神保健福祉士、介護福祉士などの多職種で行っています。具体的には、長岡を中心とした地域精神医療と新潟県南圏域の救急精神医療を縦糸に、断らない医療・急性期からの人間的医療・計画的医療・病院内に留まらない医療を横糸にして、患者さんの笑顔を大切に一人ひとりに寄り添い病からの回復を図っていく真の精神医療を展開しています。
「断らない・応える」医療への取り組み
【精神科救急(スーパー救急)病棟の開設・運営】
患者さんのニーズに応えたい、断らない医療への取り組み・継続が、救急医療への展開に繋がり、その結果として、県内初の精神科救急(スーパー救急)病棟の開設(2016年2月)となりました。今、当院周辺を中心とした地域精神医療のみならず新潟県の南半分(南圏域)の精神疾患に関する救急医療に貢献する県を代表する基幹病院としての役割を担っています。
【わが国における精神科先端医療の実施】
クロザピン治療を2016年1月に導入し、電気痙攣療法(ECT)は2022年12月に導入しました。
【急性期からの人間的治療と計画的医療】
治療の主役はあくまでも患者さん。患者さん・ご家族が自らを評価することが特徴でもある、いろいろなパスを使っています。患者さん・ご家族中心のコミュニケーションツールとしても利用できます。※ここでいうパスとは診療計画を意味します。
【多職種参加のSDM(シェアード・ディシジョン・メイキング)によるテーム医療】
患者さんとスタッフが情報を共有し一緒に相談しながら、薬物療法や心理社会療法を選んでいきます。
【病院内に留まらない医療】
退院前・退院後の訪問看護の活性化、ELS(Emergency Life Support:退院後の早い段階での再入院を防ぐ取り組み)活動を実践しています。
【地域を巻き込んだ真の精神医療~長岡モデルの構築~】
障害者雇用について事業主に働きかける活動、病‐病連携、病‐診連携、行政・福祉関係諸施設との連携などを積極的に行い、地域社会の人達を巻き込み味方にしていく、そんな理想的な精神医療(長岡モデル)を展開していくことを目指し、現在、活動しています。
【認知症医療】
認知症治療にも力を入れています。患者さんは、入院当初の華々しい周辺症状期~治まった回復期・療養期・退院時まで認知症専用病棟での治療が可能となっています。当院の認知症治療病棟では、元来、縛らない医療(患者さんの身体を拘束しない医療)を行っています。この縛らない医療をバックアップするために、週1回「ADL(転倒転落予防)と嚥下(誤嚥予防)に関する院長総回診(週1回)」の実施や患者さんの安全に配慮した病院設備としてのセンサーマット、ヒッププロテクターやヘッドギアを多数設置しています。また、認知症治療病棟に入院した患者さんが社会(自宅や生活支援施設)に戻ってもらうために、福祉施設とタイアップした「認知症治療ネット」を実践しています。退院後、少しでも豊かで人間的な生活ができるように援助していくべきだと考えています。
【患者さん一人ひとりの社会復帰を援助する伴走者としての医療】
精神疾患の患者さんが長期に療養している病棟でも、社会復帰を促す取り組みを、積極的に行っています。いわゆる『精神科版の地域包括ケアシステムの構築』が目指すところです。
真心のケア体制
私たちは、個人の人権を尊重し、それぞれの患者さまの悩みや心の声をきちんと受け止めることが、精神治療の第一歩と考え、医師によるインフォームドコンセントを徹底、ご本人やご家族にも納得いただいた上で治療・ケアを進めています。さらに精神医療看護について、患者さまの暮らしを支え、家庭や職場において人として豊かに生活できるためのサポートであると捉え、それらを実現するために看護部では目指すケアとして「やさしさ」「思いやり」「透明性」という3要素を掲げ、高い倫理性や知識・教養に裏付けられた感性を持って、どなたさまに対しても公平かつ真心を込めた看護ケアを実践しています。
精神医療においてスキルと共に求められるのは「人として、職業人としての力量」です。職員一人ひとりがより質の高い医療や看護を提供できるよう、当院では人材育成と教育研修にも力を注いでおります。
充実した医療・地域連携
当院では一人の患者さまに対して、医師・看護師・介護福祉士をはじめ、精神保健福祉士・臨床心理士・作業療法士・理学療法士・薬剤師・診療放射線技師・臨床検査技師・管理栄養士など多くの専門スタッフが関わり、精神医療における健康管理を徹底。日々変化する医療現場において各スタッフが連携・情報共有を図ることで、ベストな医療サービスの提供を目指しています。
また、院内には「地域医療連携室」を設置しており、受診や入院に関する総合的なお問い合わせ・ご相談や、地域医療機関への紹介窓口を担当しております。例えば退院後に在宅看護・介護が必要になった場合でも、当院が属する「長岡医療と福祉の里」の関連施設をはじめ、地域の医療・介護施設と密接に連携をとることでより細やかなサービスを提供、利用者様やご家族の皆様が安心して生活できるようなサポート体制を構築しています。