ビハーラ病棟とは?
ビハーラ 3つの理念
- 限りある生命の、その限りの短さを知らされた人が、静かに自身を見つめ、また見守られる場である
- 利用者本人の願いを軸に、看とりと医療が行われる場である
そのために十分な医療行為が可能な医療機関に直結している必要がある - 願われた生命の尊さに気づかされた人が集う、仏教を基礎とした小さな共同体である
(ただし利用者本人やそのご家族がいかなる信仰を持たれていても自由である)
「寿命」を受け入れた上で看ていく場所です
人間にはいかんともすることができない「寿命」というものがあります。ビハーラ病棟は一人ひとりの限られた時を無理に引き伸ばしたり縮めたりということはせず、ご本人やご家族とともにそのまま受け止めていく場です。そのため、原則的には病の進行そのものに対抗するような治療は行いません。
ご希望に沿って、限られた日々を穏やかに過ごしていただく場所です
ビハーラ病棟は病と戦っていく一般の病棟とは異なり、ご本人がご家族とともに病を持ちながら残された日々をどのように過ごしていきたいと願っておられるのか、その願いを基本に暮らしを組み立てていく生活の場です。何か決まったメニューがあるわけはなく、ご本人やご家族がどのように過ごしていきたいと願われているのかをお伺いし、何をお手伝いさせていただければよいのか、ご相談しながら関わらせていただきます。
また、日々の暮らしの妨げになる痛み等の不快な症状については、病棟所属の専門医がWHO方式に沿って症状改善に努めていきます。ビハーラ病棟のみでの対応が難しい場合は、他科や外部医療機関からの協力を仰ぐ場合もあります。
仏教の思想を基盤としています
ビハーラ病棟では、仏堂のお釈迦様を中心に常勤の仏教者(ビハーラ僧)をはじめとして、仏教者ビハーラの会(地元の僧侶の有志で構成するボランティア組織)のご協力で、日々の勤行や種々の仏教行事を行っています。当院としては、ご本人やご家族の信仰を妨げたり、特定の宗教を布教するという意図は全くありません。行事などへの参加もご本人のご自由です。
できる限りのご要望にお応えします
ご本人やご家族のご要望を全てかなえることはお約束できませんが、少しでもそれに近づけるよう、ご本人とご家族とともに医師や看護師をはじめとした病棟スタッフ全員で、できる限りの知恵を絞っていくことはお約束いたします。
ビハーラ病棟への相談・入院までの流れ
- 入院相談の予約受付及び調整(入院相談は必ず予約が必要です)
予約はお電話でお願いいたします。
予約受付・連絡先
長岡西病院 医療福祉相談室
TEL/0258-27-8711 - 入院相談の実施(病棟医・看護師・ビハーラ僧・医療ソーシャルワーカー)
原則として平日 9:30、11:00、14:00に実施いたします。(この時間にならない場合もございます。ご相談ください)
入院相談での合意により入院予約となります。 - ベッドの空き状況を見て入院日を決定いたします(相談から入院日まで約3週間〜1ヶ月)
- 入院日決定のご連絡
ビハーラ相談に必要なもの
事前相談・見学をご希望の場合
- ご家族のみで可(事前に連絡をお願いします)
- 健康保険証類(カルテ作成の都合)をご持参下さい。
- 相談料は無料
担当医師等による入院相談
- ご家族のみで可(ご家族のみの場合、家族相談料3240円が必要です)
- 紹介状と健康保険証類(事前に現在の医療機関にカルテ作成情報を伺う場合があります)をご持参ください。
費用について
当院は健康保険の指定を受けた医療機関であり、一般の病院に入院されるのと同様に各種保険適用となり、ビハーラ病棟だからといって特別な費用がかかるということはありません。ただし他の病院と同様、食事に関わる一部負担金、有料個室利用の場合は個室料金等をいただくことになります。
なお一部負担金が高額となった場合は、高額療養として一部払い戻しの制度がありますので、窓口までお問い合わせ下さい。
個室料金
- トイレ・洗面台・調理台・付添ベッド付/1日3300円
- トイレ・洗面台付/1日1100円
家族室料金
当院では付添が不要ですが、ご本人やご家族が希望される場合、ベッドサイドでの付添も可能です。
また、家族室を設置しておりますので、そちらもご利用いただけます。
- 和室:テレビ付き/1日2200円
※付添用(家族用)寝具類一式/別途
ビハーラ病棟 外来受付
外来では、緩和ケアや入院に関するご相談や、他病院からのご紹介によるご相談・診療に対応いたします。完全予約制となっておりますので、下記までご連絡・お問い合わせください。
ビハーラ病棟 入院相談 | |||||
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
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月〜土曜 完全予約制 |
お問い合わせ・外来予約受付先
医療福祉相談室
TEL. 0258-27-8711
病棟概要
対象 | 主として苦痛の緩和を必要とする悪性腫瘍、または後天性免疫不全症候群の方 |
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医師・看護体制 | ■緩和ケア担当医師が1人以上常勤 ■患者7人に対して1人以上の看護師が配置(夜間は2人以上の看護師が勤務) |
病床・室数 | 29床 個室18室(そのうちサンルーム付個室5室)、3人室1室、4人室2室 |
その他設備 | 談話室・台所・喫煙室・仏堂・台所付家族室 |
備考 | ■入退棟の基準が作成され、医師・看護師等により入退棟の判定が行われています。 ■緩和ケアの内容に関する患者向け案内が作成され、患者・家族に対する説明が行われています。 ■患者1人につき病棟の床面積は30㎡以上・病室面積は8㎡以上となっています。 ■有料個室は病床数の5割以下となっています。 ■地域の在宅医療を担う病医院と連携して、在宅療養中の患者が緊急時に入院できる体制となっています。 ■連携する病医院の患者に関して、緊急の相談に24時間対応します。 ■緩和ケア病棟では、連携する病医院の医師・看護師・薬剤師に対して実習を伴う専門的な緩和ケアの研修を行っています。 |
沿革 |
平成4年(1992)5月 長岡西病院開設と同時に病床数22床で開棟
平成5年(1993)年4月 厚生省(当時)から全国9番目の緩和ケア病棟(ビハーラ病棟としては全国初)として認可 平成13年(2001)年6月 27床に増床 平成20年(2008)年4月 緩和ケア外来開始
平成25年(2013)年11月 32床に増床
令和3年(2021)年5月 29床に減床
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「ビハーラ(Vihāra)」とは
古代インドにおいて仏教経典の記録などに使用されたサンスクリット語で、「休養の場所、気晴らしをすること、僧院または寺院」などの意味を持つ言葉です。「仏教ホスピス」という表現に替わる「仏教を背景としたターミナルケア施設の呼称」として、昭和60年(1985)に田宮 仁氏(元淑徳大学大学院総合福祉研究科教授)が提唱しました。
仏堂の釈迦菩薩像について
ビハーラ病棟にある仏堂には、17世紀にビルマ(現ミャンマー)で造られた釈迦菩薩像が本尊仏として安置されています。超宗派を標榜するビハーラにおけるご本尊様のイメージは「お釈迦様」という地元の子どもたちの意見をもとに考えられました。
なお、当院のお釈迦様は悟りを開かれた姿である「如来」像ではなく、悟りを求めて修行されている姿である「菩薩」像ですが、これは入院患者様やご家族の「如何ともしがたい状態」と苦行中の身であるお釈迦様とを重ね合わせていただきやすいように、との意味合いが含まれています。
見学・取材・研修についてのお問い合わせ先
総務課 担当:遠藤
TEL. 0258-27-8500